Sofle Keyboard v2ビルドガイド

制作難易度情報

総合制作難易度 ★★★ (ふつう)

※店主による独自の5段階評価。星の数が多いほうが難しい。

項目 難易度 備考
ハンダ付け ★★★ ダイオードとキースイッチソケットは表面実装だが、ピンがある部品だけなのでまだ実装しやすい。
部品点数 ★★ 60%キーボードなので数はまあまああるが、実装部品の種類は少ない

店主によるポイント

  • ロータリーエンコーダーが標準で2つ付いているのでちょっとしたマクロとして機能させられる
  • 60%キーボードなので初めて分離型を使う場合でも取り組みやすい

はじめに

こちらはKochi Keyboardで販売しているSofle Keyboard v2のビルドガイドです。

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kochikeyboard.stores.jp

部品

同梱品

名前 備考
PCB 2枚 リバーシブル基板です
トッププレート (FR4) 2枚
ボトムプレート (FR4) 2枚
ProMicro・OLED保護プレート 2枚
ProMicro互換ボード 2枚
OLED 2枚
OLED用ピンヘッダ 2個
OLED用ピンソケット 2個
TRRSジャック 2個
タクトスイッチ 2個
ダイオード 58個+予備2個
Cherry MX用キースイッチソケット 58個+予備2個
EC11互換ロータリーエンコーダー 2個
ロータリーエンコーダー用ノブ 2個
スペーサー M2 7mm 10本
スペーサー M2 10mm 4本
ネジ M2 3mm 24本+予備2本
ネジ M2 4mm 4本
クッションゴム 8個

別途購入

名前 備考
キースイッチ 58個 CherryMX互換
キーキャップ 58個 1u 56個、1.5u 2個
TRRS(4極)ケーブル 1本 TRS(3極)ケーブルでも可
Micro USBケーブル 1本

オプション

名前 備考
テープLED 2本 アンダーグローをさせたい場合

事前準備

ProMicroへのファームウェアの書き込み

あとでやるのは面倒なので、まず先にProMicroにファームウェアを書き込んでおきます。ProMicro互換ボードを袋から取り出してファームウェアの書き込みを行います。ファームウェアの書き込みについてはQMK Firmwareの日本語訳の記事がありますのでそちらが大変参考になります。

docs.qmk.fm

docs.qmk.fm

まずはデフォルトのキーマップを書き込みましょう。QMK ConfiguratorにアクセスしKEYBORADのドロップダウンリストで sofle/rev1 を選択したあとにCOMPILEボタンを押し、じゃがいもが回転するアニメーションが終わったらFIRMWAREボタンが有効になっているはずです。それを押してファームウェア.hexのファイル)をダウンロードします。

ダウンロードが終わったら今度はQMK Toolboxを使ってファイルをProMicroに書き込みます。このページを参考にして書き込んでください。 docs.qmk.fm

もし面倒であればQMK Configuratorでビルドしたデフォルトのレイアウトのファームウェアを次のURLで公開していますのでご利用ください。

PCBの準備

基板がリバーシブルで左右の区別がないため、自分でマスキングテープなで目印をつけ、左右を決めます。以下、マスキングテープをつけた面を 裏面 、ついていない方を 表面 とします。

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実装

ダイオードの取り付け

まずPCBの 裏面 にスイッチングダイオードを取り付けます。これはすべて表面実装になります。「▷|」のダイオードの印がある両側のランドに取り付けていきます。まず「▷|」の「|」のマーク側のランドに盛りハンダをしていきます。ハンダゴテの温度は320度程度でやるとやりやすいでしょう。

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盛りハンダが終わったらダイオードの片側を取り付けていきます。ダイオードの表面に文字が書いてあると思いますが、そこにある縦線の印が「▷|」の「|」の方になるようにハンダ付けをしていきます。(次の写真は分かりやすいのでHelixのビルドガイドより引用しています。)

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コツはピンセットで押さえながら、コテ先をピンの上から押すことでハンダが溶けつつピンがハンダに固定されます。

片側のハンダ付けが終わったらもう片側のピンをはんだ付けしていきます。こちら側はピンをコテ先で温めながらハンダ線をピンに当てればすぐにハンダがランドに固定されるでしょう。

ソケットの取り付け

ダイオードの取り付けがすべて終わったら、今度はソケットを取り付けます。これもPCBの 裏面 に実装します。キースイッチを挿す穴のところにあるJの字のシルクに沿った部分に取り付けます。こちらもまずランドに盛りハンダをします。今回は両方のランドに盛りハンダをしておきます。

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盛りハンダが終わったら、ソケットをシルクの形に合うように置き、ピンセットでソケットを押さえながら両側のピンをコテ先で温めつつランドに押し付けます。

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すべて取り付けたら表面からソケットがはまった穴を見て、ちゃんと奥まで刺さっているかを確認してください。

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TRRSソケットとタクトスイッチの取り付け

表面 にひっくり返し、上からTRRSジャックとタクトスイッチをはめ、マスキングテープなどで仮固定します。

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裏面に裏返して、TRRSジャックとタクトスイッチのピンをハンダ付けをします。

OLED用のジャンパ

OLEDを使う場合は表面にして、ProMicroが載る領域のなかにある4つの四角い2つ並びのランドがある部分をハンダでジャンプ(結線するようにつなぐ)します。

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ProMicroのハンダ付け

表面にします。ProMicroは付属の12ピンのピンヘッダを利用するのを標準の方法としていますが、コンスルーを使って実装できなくもないです。

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コンスルーを使う場合にはHelixのビルドガイドのProMicroの実装の箇所を参考にしてください。ただし、Sofle KeyboardのProMicro用スルーホールはジグザグに配列されていて、コンスルーははまるものの、ちょっとした振動で緩んだりするのであまりおすすめしていません。

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もしProMicroを何かしら着脱可能にしたいという場合には、一応次のような方法で可能です。

ymotongpoo.hatenablog.com

ProMicroは左右で向きが異なります。右手側はProMicroの実装部分が上を向くように、左手側は下を向くようにします。(写真参照。左手側のProMicroのmicro USBに付いているのは、検証用のマグネットUSBケーブルの頭です)

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コンスルー以外の方法で実装した場合には、ハンダ付けをしたあとに飛び出ているピンはニッパーなどで余分な長さをカットします。

OLED用ピンソケットおよびOLEDの取り付け

OLEDを使う場合は、OLED用のピンソケットをProMicroの下にある4つ並んだスルーホールに取り付けます。

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ピンソケットを取り付けたら、OLEDに付属のピンヘッダをソケットに挿し、その上からOLEDを載せて、ピンヘッダをOLEDにはんだ付けします。

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このとき右手側はProMicroの部品が実装された面とOLEDの部品が実装された面が向かい合わせになるので、部品同士が触ってショートしないように十分気をつけてください。

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これもやはりOLEDに取り付けたピンヘッダのピンの余計な部分はカットします。

ロータリーエンコーダーの取り付け

表面 からロータリーエンコーダーを取り付けます。ピンが柔らかく曲がっていることがあるので、きちんとスルーホールに入るように真っ直ぐにしてから挿すようにしてください。

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挿したら裏返してピンのハンダ付けを行います。

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キースイッチの取り付け

いよいよキースイッチを取り付けます。まずトッププレートの四隅にキースイッチをはめます。

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この状態にしてからPCBの上からキースイッチをはめるのですが、ロータリーエンコーダー用の穴が小さく、かなりはめるのが難しい場合があります。そのときはヤスリでロータリーエンコーダー用の穴の四辺を少しやすってください。100円ショップなどで売っているダイアモンドヤスリなどで十分に穴が広がります。すると次のようにピッタリとはまります。(OLEDは作業の邪魔だったので外しています)

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ソケットにきちんとキースイッチがはまっていると、次の写真の用に裏面からみたときに、ソケットの穴からピンが見えます。すべてのキーでちゃんと刺さっているか確認してください。(あとで特定のキーだけ動作しないという問題が起きた場合、原因の一つとしてピンがちゃんと刺さらずに曲がっている、ということがあります)

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プレート用のスペーサーの取り付け

基板に空いた5つの穴にM2x7mmのスペーサーを挿し、基板の表面からM2x3のネジで固定します。

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保護プレートの取り付け

TRRSジャックそばの2つの穴にM2x10mmのスペーサーを2つ取り付けます。ネジはM2x3mmを使用します。

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ボトムプレートの取り付けとゴム足の取り付け

裏からボトムプレートをM2x3のネジで取り付け、好みの位置にゴム足を取り付けます。

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保護プレートの取り付け

表にしてM2x4のネジでOLEDとProMicroの保護用のアクリルプレートを取り付けます。

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キーキャップのとりつけ

ご自身でご用意いただいたお好きなキーキャップを取り付けて完成です!お疲れさまでした!

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履歴

  • 2020/12/05 20:00 初版